エキゾーストパイプ

 
穴あきパイプで長時間のアイドリング中に仮眠すると
排ガスが車内に入り込み危険

 


エキゾースト・パイプは各シリンダーから出た排気ガスを大気中へ導く装置です。
途中に,排気ガスの有害成分を減少させる三元触媒コンバーターや,排気騒音を規制値内に低減させるマフラーが取付けられています。

 コンバーター装置は,ガス中の有害物質であるCO,HC,NOxをそれぞれ低減させます。
触媒が粒状のペレットタイプと一体構造のモノリスタイプがあります。

マフラーの消音機能を高めるため,サブマフラーを組み合わせる車種もあります。

 
 
 劣化のメカニズム


ちょいがけ,ちょい乗りした時,短時間でエキゾースト・パイプを熱くしたり,冷ましたりすると,パイプやマフラー内に水分が溜まっていきます。
これを繰り返していくと,腐食が進行し,穴あきの原因となります。
マフラーなどを地面と干渉させてもメッキがはがれてサビが進行し,最終的には穴あきとなります。

 また,点火装置や燃料装置の異常などで,コンバーターに未燃焼ガスが流れると,触媒は異常高温になり,浄化能力の低下や,場合によっては熔損したりします。

 

 メンテナンスを怠ると・・・・

変形や,サビなどの点検を怠ると,穴あき箇所から排気ガスが漏れて,騒音がひどくなります。
コンバーターより前の箇所で漏れが発生すると,大気汚染が問題となってきます。

 各機能が正常に作動していないと,騒音や有害ガスの公害だけでなく,換気の悪い車庫や屋内でエンジンをかけた場合,一酸化中毒を起こす危険があります。
屋外でも,排気ガス漏れの状態で長時間アイドリングのまま車内で仮眠すると,有害ガスが入り込み,中毒に陥る危険もあり定期的な点検と,計器を使った有害物質の測定が必要となります。

 日常のメンテナンス情報
 点検と交換


〈定期点検基準〉

◆1年点検(自家用乗用車)

取り付け部の緩み及び損傷

◆2年点検(自家用乗用車)

取り付け部の緩み及び損傷
マフラーの機能
一酸化炭素等発散防止装置
遮熱板の取付けの緩み,及び損傷


騒音及び排気ガス濃度の規則

騒音の場合(保安基準第30条)
近接排気騒音測定による規定値

・乗用車・小型車  103ホン

・中型車       105ホン

・大型車       107ホン

排気ガス規制の場合(保安基準第31条)

・ガソリン、またはLPガス車

 CO 4.5%以下、HC 1200ppm以下

・ディーゼルの黒煙濃度

 50%以下

車検・点検・整備