冷却水LLC

 LLCの防錆効果が低下すると
 ラジエーター内部が腐食し液漏れの原因となります。

 

エンジンは作動すると高温になり,焼き付きが起こるので冷却する必要があります。
冷却のため水を使用するが,水道水などをそのまま使用すると凍ってラジエーターやウォーター・ジャケットを破損させたり,錆が発生して腐食の僚因となる。

 これを防止するためLLC(ロング・ライフ・クーラント)を適当な濃度に溶かし使用しています。

 
 
 
 劣化のメカニズム


LLCは,主成分のエチレングリコール(凍結防止成分)の他,腐食防止のため鉄系,アルミ系,鋼系の防錆添加剤が配合されており,一般的には走るに従い,これらの添加剤は徐々に消耗し防錆性能が低下してくる。 
LLCの交換時期(寿命)は主成分であるエチレン・グリコールの酸化劣化の進行と,防錆添加剤の減少による防錆性能の低下を加味して決めています。
 

 メンテナンスを怠ると・・・・

冷却水不足のまま走行したり,劣化したLLCをそのまま使用すると,防錆性が低下し,ラジエーターやエンジン内部の水管を腐食させ水漏れが発生,オーバーヒートの原因となったり,冬季には凍結したりしてエンジンに損傷を与えてしまいます。

 なお,LLCは不凍効果と金属の腐食防止性を維持するため,濃度は
30〜60%までの間で使用することが必要です。
使用地域の最低温度より5〜10度C低い気温にあわせて濃度を決め注入する濃度の測定にはLLCチェッカー・テスターを使用します。

 日常のメンテナンス情報


 冷却水の不足や,冷却装置の故障によりオーバーヒートが発生すると,エンジンに損傷を与えるので,
運転中は時々,計器盤の水温計をチェックする必要があります。
 水温計が上昇しオーバーヒート状態となったら,車両を木陰の涼しい風通しのよい場所に止め,アイド
ルで放置した後にエンジンを止める。 

 日常点検としては時々,リザーバータンクの冷却水液量をチェックします。
不足していれば補充するが,水だけの補充ではLLC濃度が薄まり防錆効果を弱めてしまうので,補充液(LLCを30%程度に薄め,そのまま補充可能な製品)を使用します。
 なお急速に減少した場合はラジエーター等の液漏れも考えられるので整備工場等に相談しましょう。
 

 点検と交換


〈定期点検基準〉

◆日常点検(自家用乗用車)

 冷却水の量が適当である事。

◆1年点検(自家用乗用車)

 冷却装置からの水漏れ

◆2年点検(自家用乗用車)

 冷却装置からの水漏れ

〈定期交換基準〉

 3(2)年毎。(メーカーにより交換基準に差があるので,メンテナンスノートを参照)
  

車検・点検・整備