スパークプラグ

 
エンジンの調子を左右する重要部品であり、
使用劣化する消耗品

 


スパーク・プラグは高電圧による放電で火花を発生させ,燃焼室に吸入された混合気を燃焼させるきっかけ(火だね)をつくる働きをしています。

 構造は,燃焼室内で放電を起こすための中心電極と接地電極,ハイテンション・コードとの接続部の端子,高電圧を電極に導くための中軸,高電圧の漏れを防ぐための絶縁碍子の他,絶縁碍子を保護してシリンダ・ヘッドに締め付けるためのハウジングとガスケットからなります。

 
 
 劣化のメカニズム

プラグは使用により劣化する消耗部品であり,劣化には電極消耗とくすぶりがあります。

 電極消耗は放電時に陽イオン及び電子が電極に衝突することによる摩耗や過酷な燃焼室でのプラグ温度上昇によって電極が酸化侵食されることで起こり,走行とともに進行しスパーク・ギャップは大きくなっていきます。
消耗の進み方は放電が集中する電極の角から消耗します。

 くすぶりは,燃焼時に発生するカーボンが電極部に付着することで絶縁抵抗が低下しリークしやすくなります。
走行状態やプラグの熱価(熱の発散する度合)が大きく影響し,エンジンが充分に暖まっていない(冷間)で混合気の濃い状態での短距離走行の繰り返しや長時間のアイドル放置などはくすぶりが発生しやくすなります。

 

 メンテナンスを怠ると・・・・

電極消耗によってスパーク・ギャップが大きかったり,くすぶった状態で使い続けると,火花がうまく飛ばずに失火を起こしエンジンの回転不調,出力不足や始動不良および燃費悪化,あるいは未燃焼ガス排出による触媒過熱や大気汚染(CO/HC増加)などが発生します。

 

 日常のメンテナンス情報

プラグには熱価の違いによる種類があり,熱の発散する度合が大きいプラグを高熱価型(冷え型),小さいプラグを低熱価型(焼け型)といい車種に応じて選定されています。

 もし選定外のプラグを装着するとエンジン不調などのトラブルが発生することがあります。
ユーザーが自分で交換する場合は,製品の品番や適合可否をよく確認した上で交換することが大切です。 
なお,最近は白金の中心電極及び接地電極を使用し耐久性を向上させた高性能プラグもあり,これらはメンテナンスフリーになっています。

 

 点検と交換


〈定期点検基準〉

◆1年点検(自家用乗用車)

 点火プラグの状態

◆2年点検(自家用乗用車)

 点火プラグの状態

〈交換の目安〉

 使用状況により消耗度は異なるため『1年1万km1チェック』を実施し適宜交換する。


 

車検・点検・整備