ファンベルト

 
ベルトが切損するとオーバーヒートやバッテリー上がりが発生
 

ファンベルト(以下ベルト)はエンジンの回転を主にウォーターポンプやオルタネータに伝えて作動させる役割を果たしています。
ウォーターポンプはエンジンの温度を適正に保つために冷却水を循環させる装置で,オルタネータとは発電機のことです。
 ベルトにはこの他にもパワステベルト,エアコンベルトがある。現在多くのクルマは3本ないし2本のベルトで各々の装置を作動させているが,中には1本ですべてを作動させるものもある。

 
 劣化のメカニズム


ベルトは動力を丈確に伝達するため適正な張力で張られているが,ゴム製品なので走行距離が増えるにしたがい伸びや摩耗により緩んできます。
ベルトが緩むとベルト鳴きと呼ばれるキュルキュルとかキーという異音が発生します。
発進時や加速時などは特に大きく鳴ることが多く,クルマから少し離れた所にいても聞こえるほどです。

 また,張力も使用とともに弱まり,さらに高温に弱く経時的な熱劣化も起こります。
劣化が進むと最終的にひび割れや剥離等が起こり切損することもあります。


  

 メンテナンスを怠ると・・・・

ベルトは初期伸びが大きく,伸びた状態で使用を続けると動力が正確に伝わらず,発電不良によるバッテリー上がりや冷却水不循環によるオーバーヒートの発生率が高くなります。
特にベルトが切損したまま走行し続けるとほぼ確実にそうしたトラブルが発生しエンジンにダメージを与えてしまいます。

 日常のメンテナンス情報


オルタネータベルトが切れた時はバッテリーヘ充電できないためチャージランプが点灯します。
またウォーターポンプベルトが切れるとウォームポンプが作動しなくなり水温計が上昇します。走行前や走行中に計器盤をチェックしてください。

 また,ベルトの寿命は張力管理に大きく影響されるので定期的に整備工場等に入庫して調整することが大切です。
その他,ベルト鳴きに気付いた時は速やかに入庸してベルトの状態をチェックしてもらいましょう。

 


 
 点検と交換


〈定期点検基準〉

◆1年点検(自家用乗用車)   ベルトの緩み及び損傷

◆2年点検(自家用乗用車)   ベルトの緩み及び損傷

〈交換の目安〉

 ベルトは一般的に25000〜30000kmで交換されることが多いが,特に何万kmで交換という規定はありません。
シビアコンディションの場合は当然早めの交換が必要となります。
整備工場等で定期的に点検チェックし適宜交換してもらいましょう。

 また,ベルトは高温とオイルに弱いので,オーバーヒートを起こした時やオイルが付着した時は交換した方が良いです。


 

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